うちの子が寝てくれない!の悩みが・・・

6か月児のお母さんが、疲れた様子でお話してくださいました。
「うちの子、まだ2時間未満ごとに泣いて起きて、寝不足です・・・どうしたら寝てくれるようになりますか?」

 

そこで、私がしたことは、とにかくまず共感。寝ないと辛いですよね~~。

(私はロングスリーパーなので寝不足は嫌すぎます)

そして、習慣を変える方法としてネントレの知識を少しと、必要あれば専門家紹介することもできますよ、ご興味あれば書籍も色々ありますよ、などお伝えしました。

でも習慣を変えるのもエネルギーがいりますね。3日我慢すれば、と世間では言われますが、必ずしもそうでないケースも現場でお聞きします。

現状維持と変化、どちらを選ぶかはあなた次第、あなた自身の選択。

あとは医療者として一応、抑肝散や甘麦大そう湯という夜泣きや夜驚症の治療に使う漢方薬を飲んでみるという手もありますよ。
などをお話させてもらいました。
そうしたら、次にお会いしたときに、このお母さんが言った言葉が深かかった!
「先生、私気づいたんです。現状を解決したいとは別に思っていなかったっていう自分の気持ちに。
だって赤ちゃんは理由あって泣いているのだし、無理にそれを変えるのは違うと思うんです。
ただ寝てくれないことが辛いって気持ちを出せただけでスッキリしました。
解決はしていなくても、もう大丈夫って思います!」と笑顔たっぷりに。
そうなんですよね。
人って、解決したくて相談している時と、ただ共感してほしいだけの時があります。
そもそも解決を望んでいるわけではなかった、という気持ちは、人に話したからこそ気付けたわけですね。
そして、自分の気持ちに気付けた、それだけで次のステージに進むことができるのですね。
医者の仕事は、病気を良くするとか悩みを解決するということに重きを置きがちですが、
実は育児相談に関わらずクリニックを受診する人の中にも、
別に早期解決を望んでいるのではなくて、現状で大丈夫かどうかを確認だけしたい人だって多くいるはずなのですよね。
無理にこちらが良いと思う方向にひっぱるのではなく、相手の望みを引き出しそれをサポートする、もしくはただ共感だけする、というシーンがもっとあって良いのだと、気づかされた会話でした。
そして、自分で選択するってことが大きな力になるということも感じさせてもらいました。
どうもありがとうございました。