あるママさんとの出会い

 

 

ご近所には3人の乳幼児のママさんがいました。
布おむつ育児など自然派志向で、いつも笑顔でゆったりとこどもに接しているように見えました。
1人の子育てでもこんなに大変なのに、どうしたら3人も育てられるのだろう。

なぜあんなに心にゆとりがあるのだろう。
そう思いながらもあまりお話できないでいました。

 

長男が9か月のころ、東日本大震災がおきました。

外の芝生に避難したら、そのお母さんに「抱っこひもから降ろしたら?ずっと抱っこだと赤ちゃんが退屈じゃない?」と話しかけられました。

まさかこんな不潔なところに色んなものを舐め回すわが子をおろすなんて、とてもできないと正直思いました。

でもせっかくの提案を受け入れないのも居心地が悪いので、恐る恐る芝生におろしてみました。
その時の息子がどんな様子だったのかを覚えてはいませんが、私の心がとてもザワザワしたのを覚えています。

 

私の育児っておかしい? 潔癖すぎる? 抱っこで赤ちゃんを退屈にさせている?


もっといろんな育児を知りたい、他のお母さんと接点が持ちたいと思いました。

 

後日その人に初めて本音で話してみました。

「私、正直いうと育児が楽しめていない。」

 

すると子育てサークルに誘ってもらえたのです。

初めて集ったときの安心感や知らない人と育児を語る楽しさは今でも鮮明に覚えています。

 

育児について悩んでいるのは私だけじゃなかったのだ。

 

暗いトンネルを抜けだしたような気持ちがしました。

まるで自分だけに圧し掛かっていた育児の負担感や緊張感が解れた瞬間でした。

 

 

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